2004年12月14日

「知らない子」はもういない

NHK教育の小学校中学年向きの道徳番組で「みんななかよし」という歌が流れていた。
昭和60年までということなので、ある程度の世代の人ならご存知だろう。
こんな歌詞である。
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♪口笛吹いて〜空き地へ行った〜
#問題があるといけないので以下割愛。
##Webで検索すると例によって結構見つかる。
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さてこの歌、当時の私は「なるほど、余所者は排斥するわけか」と酷く納得した。
みんな仲良くしようという歌詞である。「みんな仲間だ仲良しなんだ」という締めの
歌詞を引用するまでもない。それなのに何故余所者排斥なのか。
当時の私に抽象概念が発達してなかったことといじめに遭っていたことがその理由だ。


改めて歌詞を追ってみよう。
・舞台は空き地。
・「知らない子」がやってきて「遊ばないか」と誘う。
・モノローグ調に「一人はつまらないから仲良しになろう」と。
・後日、空き地に集まったのはみんな仲良しだ。「知らない子」はもういない。

普通に大人が解釈すると「」で括った「知らない子」の意味は明らかである。
「知らない子」はつまり、「知らない」という状態であり特定の個人を指している
わけではない。要は、「誰とでも仲良しになりましょう」、それだけだ。
しかし、当時の私には「知らない子」という特定の個人と思われたわけだ。

その観点に立って歌詞を紐解くとこうなる。
・「知らない子」はもういない。なぜか。追い返したからだ。
・みんな仲間だ仲良しだ。なぜか。追い返すために顔見知り同士団結したからだ。
・ではなぜ追い返したのか。余所者がいきなり誘うなんて胡散臭いからだ。
困ったことにちゃんと辻褄が合っている。
#Webで検索するまでもなく、そう思っていた人が多いことも驚きだが。

ひどい歌だと思ったことは覚えている。でもそれだけに、真実味があった。
性急に仲間になろうとしてもこの歌のように排斥されると納得し、
少しずつ時間をかけてクラスに馴染んでいくように心がけたのだろう。
あまり大きくない学校であったことも幸いして数ヶ月で表面的ないじめは
なくなってたんじゃないだろか。 尤も、卒業前にまた転校したのでそれ以来、
そのときの同級生とは全く会っていないのだけど。
「東京もん」といじめてくれた連中がこの歌をどう聞いたのか、知りたくはある。

posted by 性悪狐 at 19:37 | Comment(4) | TrackBack(0) | ことば
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